先日、「生活困窮者に対する法的支援~関係諸機関との連携のポイント~」という研修に参加しました。
当事務所では、成年後見人等の業務を数多くご対応させていただいています。
その中で、福祉関係、医療関係、市役所などの関係諸機関と連携しながら、ご本人の意思を尊重し、少しでも快適に、幸せだと感じてもらえたら、と、何ができるだろうかを模索しています。
当然ですが、ご本人のお金も、対応する側の時間・人員も限界がありますので、その限られた資源の中で、役割分担をしながら、それぞれが少しずつ、うまいことおせっかいをやいてくれている、と感じています。
上越の関係諸機関のみなさんは、本当に心が温かいなぁと思うのです。
しかし、現在良好に保つことのできている関係ですが、お互いが感謝の気持ちを持たないと、この関係を維持することはできないと感じています。どちらかが、感謝の気持ちを忘れれば、「なんで当方がそこまでしないといけないのですか?」「それは、そちらの役割でしょ?」という、割り切った、ドライな対応になってもおかしくない、と常に思っています。
関係諸機関との連携は、とても重要であると感じており、表記の研修に参加しました。
研修で学んだことは、
① 弁護士にどういう役割が期待されているのか。
② 「生活困窮者の人たちの抱える問題は複雑、重層的である」ということを理解した上で関わることが重要であること。
③ 相手の価値観の否定から入るのではなく、「そう考えるには、何か原因があるのだろう」と考えることが重要であること。
などです。
特に③については、弁護士業務だけでなく、日常生活、企業運営においても、生かせる視点であると思います。
日常生活においては、家族との意見の食い違い、友人との間で言った言わないのケンカになった場合など。
企業運営においては、クレームの電話があった場合、取引相手と認識がずれてしまっている場合、職場内での認識のずれが生じた場合など。
相手の言い分をただ否定するのではなく、「どうしてそうなったのか?」「何か原因があるはずだ」という視点で捉えることで、自分がやたらと苛立たなくて済むという精神的安定が得られることが、まず1つ。
また、相手の真意や、そうなった原因を知りたいという視点を持てば、解決に向けて話を進めていくことも期待できます。トラブルとその原因がわかれば、今後、同様のトラブルが生じないように、予防方法を検討することもできるはずです。
学ぶことの多い、素晴らしい研修でした。東京まで行った甲斐がありました。
皆様のお役に立つかもしれないと思いましたので、ブログでご報告いたします。